ミュージカル “The Book of Mormon”を観てきた


仕事が忙しいとか言いながら、先週は2日連続でミュージカルを観てきました。かなり前から予約してたから。


2つとも面白かったですが、そのうちの1つはこれまで観た中でも一番面白くて、お気に入りになりました。

ニューヨークのブロードウェイでも大人気のミュージカル、The Book of Mormonです。



直訳するとモルモン教の聖典、でしょうか。要はモルモン教のよりどころになっている読み物のことです。前の記事でも書きましたが、もともとモルモン教に興味があって、さらにミュージカル自体の評判もとてもよかったので、観てみたいなぁとずっと思っていました。



話の中心となるのは、モルモン教を信じる二人の青年。モルモン教の中心地であるアメリカ・ユタ州のソルトレイクシティから、布教活動(ミッション)をするためにアフリカのウガンダに派遣され、四苦八苦しながら現地の人びとに布教を試みる・・・


という、なんとも超真面目そうなあらすじです。



しかし、このミュージカルのおもしろいところは、題材・あらすじから想像する内容に反して、ものすごくふざけていて、風刺が効いていて、言ってしまえば下品なところ。

イメージとしては、モルモン教に対するステレオタイプな印象を150%に強調し、面白おかしく仕上げてしまっている感じです。



ミュージカルのオープニングでは、全面笑顔で、白シャツ・黒ネクタイという、モルモン教のシンボルといえる服装に包まれた青年たちが、布教活動の練習をしているところからはじまります。アメリカにいたことがある人は特によく分かると思いますが、観客は「あぁ、こういう人たち、いるいる!」と爆笑し、最初から会場を引き込んでいきます。

その後も、「どこでも布教活動に専念し、これから頑張っていくぞ!」と意気込んでいた青年たちが、ウガンダと聞いた途端にひそかにがっかりしたり、実はモルモン聖典読んだことない・・って言っちゃったり、布教するために有ること無いことをウガンダの人びとに吹き込んでしまったり・・・。


「この内容、ほんとに大丈夫なの!?」というレベルで皮肉が効いていて面白おかしい作品です。

実際、観客の9割は爆笑していたし、私の隣のお姉さんは持っているシャンパンを吹き出しそうな勢いで笑ってましたが、逆隣りの50代くらいのご夫婦は圧倒されていました・・。ポカーン、みたいな。笑


実はこの作品のダイレクターは、サウスパークというアメリカのアニメ作品のダイレクターなんです。

サウスパークって、みんな知っているでしょうか??画像をみたらピンとくるかな。




サウスパークも、知っている人は分かると思いますが、かなり下品で人種差別ギリギリのジョークや過激な表現が多いアニメです。サウスパークのミュージカル調の映画があるのですが、それを観てからこのミュージカルを観ると、たまに似たシーンが出てくることがあるので、より楽しめるかも。



モルモン教自体はこのミュージカル上演を公式に認めているので、何も後ろめたい気持ちになる必要はありませんが、内容は皮肉っぽくて下品だけど笑える系、と理解して行った方がいいです。

特にお子様にはお勧めしません。笑



あと個人的によかったのは、出演者の多くがアメリカ人の設定なので、基本的にはアメリカ英語が使われているところ。やっぱりアメリカ英語は私にとってとてもわかりやすくて、イギリス英語の劇ばかりを最近みていたので、さらに聞き取りやすく感じました。


内容のテンポのよさと面白さはもちろん、曲やダンスがとても楽しく、素晴らしい作品でした。

日本に本帰国するまでに(いつ帰国かさっぱりわかりませんが)もう数回は観たい作品です。


これが今年最後のブログになるかなぁ。

年末年始は少しだけ日本に帰ります。みなさま、どうぞ良いお年を。


ロンドンは、まだ故郷ではない

2018年からロンドンで単身赴任している 20代後半サラリーウーマンです。 住んでみたら意外とよかったロンドンでの生活、仕事、そしてワインのこと。

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