小説 “Memoirs of Geisha”の感想
仲の良い同僚(バルト三国出身)が、急に、「ゲイシャって知ってる??」って聞いてきて。
まぁ知ってるけど、急にどうしたの、と聞くと、芸者に関する小説を読んだらしい。
で、面白そうなので借りて読んでみた。
“The Memoirs of Geisha”という洋書で、直訳すると「芸者の回想録」。著者はアメリカ人の作家で、ニューヨークに住む元芸者の実話を元に、芸者の一生を綴った話。
90年代の小説で、どうやらハリウッド映画化もされたらしい(渡辺謙や桃井かおりなど、大御所が出てる)けど、私は全然知らなかった。90年代に20代〜だった人は知ってるのかな。
500ページくらいあって割と長かったけど、2ヶ月くらいかけてゆっくり読みました。
第二次世界大戦を潜り抜けた芸者の人生が生々しく描かれていて、全体的にとても面白かったです。回想録、といいながらも起承転結がはっきりしていて、テンポのいい小説だと思う。
一番強く感じたのは、芸者について何も知らなかった、ということ。
どうして芸者になったのか、どういう訓練をするのか、どういうビジネスなのか、どうやって生計を立てていくのか。
もちろん今の芸者さんと当時の芸者さんではいろいろと違うことも多いんだろうけど、「そうなんだ…」と、息を飲む瞬間が何回もありました。
印象的だったのは、大手財閥の社長などが、当時は芸者ととても深い関わりがあったということ。当時のお金持ちは、愛人がいるのがおそらく普通だったんでしょう。
セクハラパワハラが騒がれてる今と比べ、単純に異世界で、その世界に引き込まれました。
あと、英語で、日本人の私でも知らない芸者のことを忠実に、美しく描写していることに対して、なんとなく少し不思議な感覚を覚えたなぁ。
映画も観てみたいな、と思います。
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