欧米諸国において、宗教がとても身近な件について。


宗教が人に及ぼすパワーや影響力の大きさを、アメリカに住んでた時もイギリスに住んでいる今も、ヨーロッパのほかの国に旅行するときも、本当によく感じる。


ヨーロッパって本当にたくさんの立派な教会があって、荘厳だったり(ベルリン大聖堂を見たときは感動した)アーティスティックだったり(ガウディのサグラダファミリアとか)、表現はいろいろあれど、とにかく圧倒されるビジュアル・存在感がある。

そういう教会を見て、「すごいなー、でかいなー、綺麗だなー」っていう月並みな感想を持つ教養の無い私ですが、それより何より先に頭に浮かぶのは、「よくこんな労力と手間と時間をかけて作ったなぁ・・・」という、宗教に対する信念の強さへの感動。


教会を作るにあたっては、有名な建築家が命を懸けて設計し、それぞれの街の政治的な中心人物が関与し、何百人・何千人もの人が建築に携わり・・・

こんなにも多くの人を動かす宗教に対する信念に、毎回圧倒されるのです。


教会そのものから少し離れて、宗教がイギリスや欧米諸国に与えてきた影響について、最近考えたこと。


まず、今のイギリスという国があるのは、宗教無しでは語れない。

はるか昔から、宗教はイギリス政治においてとても重要な役割を果たしてきた。

次の国王を決めるときに、あの人はカトリックだからダメだとか、政治家が異なる宗派の人びとを殺してしまったりとか、とにかく宗教を中心にて政治が回っていたといっても過言ではないくらい、政治と宗教は奥深くで繋がっていた。

次第に、イギリス国教会という独自の宗派が確立し、議会が生まれ、今の体制になった。

思えば、ヨーロッパ諸国から輸入(?)されたいろいろな宗派が対立を続けてきたからこそ、イギリスは世界で最も早く議会制度が発達したのかもしれない。


あと、地理も宗教に影響されている。

ロンドンにいると、大小のロータリーによく出会う(イギリス英語でRoundabout、ランダバウトという)。なんかいっぱいロータリーあるなぁ、とぼんやり思っていたけど、その中心にあるのは大体教会、もしくは宗教的なモニュメント。

要は、昔から教会はそれぞれの街の拠り所で、人びとにとっても、政治的にも、物理的にも中心にあるべきものだったのだと思う。


昔からサスペンス映画が好きなんですが、映画でも宗教がテーマになっているものが多い。あからさまにテーマになってるのではなくて、よく見たら宗教が背景になっているアメリカのサスペンス映画をたまたま最近2本観た。

ブラットピットとモーガンフリーマンが主演の「Seven」というサスペンスは90年代の作品なのでだいぶ古いけど、有名なので日本でも知っている人が多いと思う。大学生のとき初めて観たときは、なんか暗くて救いのないサスペンスだなぁ、というボンヤリした感想しか持たず、すっかり内容を忘れていたけど、たまたまSevenのテーマがキリスト教の「7つの大罪」であるということを今更知り、もう一度観てみた。そしたら、すごく良くできたサスペンスだということが分かって感動した。

観た事ない人は、キリスト教の7つの大罪というものを少し勉強してから観てほしい。


あと、「Prisoner」というサスペンスも最近観て、これはなかなかゾクゾクする分かりやすいサスペンスなのだけど、この作品も裏に宗教がある。

これも観ている最中はわからず、あとで作品の評価をいろいろ調べているうちに分かったのが、作品の主要人物がそれぞれ「信者」「悪魔」「異教徒」を表している、というもの。また、この背景を知ったうえでもう一度観てみたいなーと思う。


というわけで、なんだか暗めの締めくくり(?)になったけど、教会をはじめ、宗教が人びとに与える影響や、生活への根付き方について、日本の片田舎で育った私は、面白いなー(変だなー)、とよく思うわけです。


(ちなみにこれが、ベルリン大聖堂。)

ロンドンは、まだ故郷ではない

2018年からロンドンで単身赴任している 20代後半サラリーウーマンです。 住んでみたら意外とよかったロンドンでの生活、仕事、そしてワインのこと。

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